転職は人生の大きな転機です。しかし、せっかく新しい環境に飛び込んでも、期待と現実のギャップに悩むことも少なくありません。この「ミスマッチ」について理解し、その原因と対策を知ることは、転職を成功させるために非常に重要です。
◆そもそも「ミスマッチ」とはどういう状態を指す?
「ミスマッチ」とは、「マッチしない・していない」「調和しない・していない」状態を指します。転職においては、転職者自身や転職先企業、もしくは両方が認識する「転職者・転職先企業間に何らかのズレが生じているネガティブな状態」のことを言います。
似た言葉に「転職ギャップ」や「カルチャーショック」がありますが、これらにはポジティブな場合もネガティブな場合もあります。ギャップとはズレや食い違いのこと。転職ギャップとは、「転職者が、自身の認識・想定と、入社後の現実とのギャップがあると感じること」を指します。
例えば、「選考時はリーダー候補として評価されていたつもりが、入社したら一メンバーからのスタートだった」といったケースは、転職ギャップの一つです。カルチャーショックは、「転職者が、転職による企業文化・カルチャー面の変化・ギャップによって、心理的にショックを受けたり、戸惑ったりすること」を意味します。
◆転職ではどんなミスマッチが起こりやすい?
ミスマッチが起こりやすい内容には、職場や仕事に関するあらゆる側面が関わってきます。具体的には、労働条件、仕事内容や進め方、スキル・キャリアの方向性、人・組織、カルチャー、評価のされ方などです。
リクルートが行った「就業者の転職や価値観等に関する実態調査2022」によると、正社員・正職員の20~50代転職経験者の退職理由の上位5項目は、「仕事内容への不満」「人間関係への不満」「賃金への不満」「労働条件や勤務地への不満」「成長機会がない」でした。これらは、転職先で起こるミスマッチにも共通しているといえるでしょう。
◆なぜ転職でミスマッチが起こるのか?原因と予防する方法は?
転職後にミスマッチが起こってしまう原因や背景を探ってみましょう。求職者側の要因、企業側の要因、それぞれについて見ていきます。
◆求職者側の要因
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転職活動中の準備不足やリサーチ不足
- 転職理由や希望条件があいまい
- 比較検討が不十分
- 情報収集が不十分
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転職後の行動
◆求職者側の要因で起こるミスマッチを予防する方法
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自己分析をして転職目的を明確にする
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転職先の情報収集を徹底する
- 会社の文化や仕事の進め方を理解するために、徹底的なリサーチを行う
◆企業側の要因
企業側にも、ミスマッチを生じさせる原因はさまざまあります。
その一つが、企業側の情報開示の問題です。
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情報開示の不十分
- 企業側の人材要件や選考基準が不明瞭
- 受け入れ態勢の不足
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入社後のサポート不足
◆企業側の要因で起こるミスマッチを予防する方法
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情報提供の徹底
- 研修資料や組織情報の提供
- メンターや教育担当の制度整備
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入社後のサポート強化
- 明確な教育プランの整備
- 定期的なフィードバックの場を設ける
転職でのミスマッチが起きてしまった時の対処法
転職後にミスマッチが起きた場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。
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ミスマッチは誰にでも生じるものと捉える
- ネガティブに捉えすぎず、時間をかけて解消する方法を探る
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社内外の相談先を見つける
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積極的にコミュニケーションを取る
- 先輩に仕事を教わる、資料を読み込むなど、積極的に行動する
最後に、転職は新しいスタートラインです。最初は戸惑いや不安も多いかもしれませんが、焦らず、自分のペースで新しい環境に適応していくことが大切です。ミスマッチを感じたときは、冷静に対処法を見つけ、前向きに取り組むことで、必ずや成功への道が開けるはずです。