2024/07/15投稿者:ミケジョ事務局

管理職として転職を成功させるためのコツ

管理職としての転職は、一般的な転職とは異なり、より高度なスキルと経験が求められます。即戦力、信頼感、リーダーシップなど、ワンランク上のスキルが求められる管理職の転職。本記事では、管理職転職の実情や成功のためのコツを解説します。

 

◆より細かいマッチングと深掘りが求められる管理職の転職

管理職の転職理由は、非管理職の場合とそれほど大きな違いはありません。例えば、2021年に発表された『ミドルエイジ層の転職と能力開発・キャリア形成~転職者アンケート調査結果~』によると、管理職を含む離職理由の1番は「満足のいく仕事内容ではなかったため」となっています。次に「会社の将来に不安を感じたため」、「能力・実績が正当に評価されなかったため」などが続きます。

管理職転職の特徴は、実績やスキルがより重視されることです。採用側は、入社後すぐに成果を出すことを期待しています。そのため、管理職転職の場合、経験、実績、スキル、知識、人物タイプなどに細かいマッチングが求められます。

ミスマッチを防ぐためには、自分の経験や実績を棚卸し、転職理由や志望動機、自己PR、キャリアプラン、希望条件をしっかりと深掘りし整理することが重要です。

 

“管理職求人”であることを意識しながら企業リサーチを行う

管理職の転職は採用人数が少ないため、転職活動は非管理職よりも時間がかかる傾向にあります。そこで重要なのが応募先企業の事前リサーチです。企業が求める人材要件、組織風土、業界分析などを把握し、その企業がどの成長フェーズにあるのかを見極めることが必要です。

リサーチによって得られる情報には限界がありますが、経営理念や企業文化などもしっかりと確認しておきましょう。選考過程でメンバーや上司との面談が設定されることもあるので、その機会を活かして企業文化やチームとの相性を見極めるのも良い方法です。

 

管理職ならではのアピール術を心得る

管理職転職の場合、「〇〇を実現させるために、どのような経験・実績・スキルを活かせるのか」、「自分はどのように貢献できるのか」について、具体性を高めてアピールすることが重要です。志望動機や転職理由、自己PR、キャリアプランなど全般において、“早い段階で成果を出せる人材である”ことをリアルに伝える工夫が必要です。

例えば、職務経歴書には、管理職として担当した組織の社内での位置付け、人数規模、予算、役割、成果(目標達成率など)を具体的に記載しましょう。そうすることで、企業側はどんなことができる人材なのかを推測しやすくなります。

 

スキルをアピールするには

自分のスキルを伝える際は、カッツモデルをベースに展開していくと良いでしょう。カッツモデルとは、アメリカの経営学者ロバート・カッツが提唱した、会社経営に必要な能力を3つに分類したビジネススキルのことです。

  1. テクニカルスキル

    • 業務遂行能力:業界・職種ごとの専門スキル、知識など
  2. ヒューマンスキル

    • 人間関係構築力:リーダーシップ、コミュニケーション能力、ネゴシエーション能力、プレゼンテーション能力、コーチング能力、ヒアリング能力など
  3. コンセプチュアルスキル(概念化能力)

    • 論理的思考力、批判的思考力、多面的視野、柔軟性、受容性、知的好奇心、探求心、応用力、洞察力、俯瞰性など

ヒューマンスキルは、管理職に限らず求められるものですが、課長クラスでは特に重要です。部長クラスになると、内部環境を踏まえて組織のビジョンを構築する、戦略を立案するなどの役割が期待されるため、コンセプチュアルスキルが重要となります。

 

キャリアプランをアピールするには

キャリアプランは、与えられたものをこなしていく受け身のプランではなく、「新しいものを創り出す」、「事業や組織を改善する働きかけをしていく」など、主体性をアピールすることが大切です。面接対策としては、ケース面接や企業が抱える課題に対する質問、過去の成功・失敗体験を自社でどう活かすのかといった問いかけを想定し、答えを準備しておきましょう。

タイミングを慎重に考える

管理職転職では、タイミングも重要です。次の3つのタイミングを意識して、成功に導きましょう。

  1. キャリアのタイミング

    • 管理職としてある程度の経験・スキルを積んでから転職を考えると良いでしょう。
  2. 退職(入社)のタイミング

    • 現職の状況に応じて適切な退職・入社のタイミングを見極めることが重要です。
  3. 転職活動を始めるタイミング

    • できるだけ在職中に転職活動を始めましょう。家族やパートナーがいる場合は、事前に相談して相手の意向を確認しておくことも大切です。

 

管理職に特化した転職エージェントを利用する

転職エージェントを活用することで、管理職求人の情報や成功事例を効率的に得ることができます。特に、管理職専門の転職エージェントには非公開募集の情報が多く、志向性や経験・スキルに合った転職先が見つかる可能性が高まります。企業から直接スカウトメールが届くスカウトサービスも併用し、幅広い情報にリーチしましょう。

また、知人が紹介してくれるリファラル採用を利用する方法もあります。知人から応募先企業のリアルな情報を得られる上に、マッチングの近道になることもあります。

 

まとめ

管理職としての転職は、経験とスキルがより厳しく問われる場面です。適切な企業リサーチと自分の強みを具体的にアピールする準備をしっかりと行い、タイミングを見極めた転職活動を進めましょう。