2023/02/02投稿者:高本佳明

自分ってどうアピールしたらいいんだ?転職支援のプロが教える自己PRの作り方

 

自己を売り込む姿勢はとても重要なものである。

なぜかというと、転職のときだけでなく、普段においても自分のよさを知っていると、それだけで強力な武器になるからだ。だから常日頃から自分がどんな人間なのか見つめておくとよい。自分がどんな風に物を見て考えているのか。どんな景色をどんな風に感じるのか。自分を知るということは、それによって他人とは違う自分の個性を導きだすことだ。


今の時代は、“個性”という言葉をよく使う。


人間が一人ひとり持っている特質が違うのだと声を高らかにしてもよい時代である。自分だけの個性を主張することができるとは、今まで陰に潜むしかなかった少数派の人たちにとっても大変な転換期でもある。そんな時代だからとも言うべきではないが、人生において自分を振り返るという行為は先に述べたようにとても重要なものなのである。


就職活動、転職活動は自分を振り返るよいきっかけだ。


今回のテーマは「自己PRの作り方」である。

自己PRとは簡単にいうと「長所」のことだ。
しかし「長所」と一口に言ってもどう書けばいいのかわからない。そもそも自分を振り返ったからといって、自分の長所を探すことはなかなか難しいことである。
だからこそ、今回は自己PRの「作り方」を紹介していきたい。


① まず、自己PRによって何をアピールしたいか考える。
さっきも述べたが一口に自己PRといっても様々な方法がある。自分の長所のどこをどう売っていくのかということだ。自分の"経験"を売りたいのか、また"何にどのような貢献したのか"を知ってほしいのか、はたまた"自分の行動した結果"を見てもらいたいのか。まずはそこから決めていくといいだろう。


自分の経験を売りたい場合は、その経験が、自分の入社希望している会社にとってどれだけ有効かを書いていくことが重要だ。
例えば学生時代部活でキャプテンをしていたという経験があったとする。そのキャプテンという経験で何を学び、部員たちをどうまとめてきたのか考えてみる。すると以下の文章になる。
『キャプテンという経験があるから、自分は人とのコミュニケーションが得意になり、人に指示を出すコツまで学ぶことができた。これは働く上で強みになると考えている。特に希望している営業科ではきっと役立つだろう』


このように経験とそこで学んだことを書くことで自分の持ち味をアピールできる。
前回の記事でも述べたが、入社を希望する会社の情報をある程度調べておくことを忘れないでほしい。会社側がどんな人間を求めているのかきちんと把握した上でアピールの仕方を考えるといい。
 
次に、何にどのような貢献をしてきたか、という自己PRの書き方である。

さっきと同じ例で考えて書いてみると下記のようになる。
『学生時代に自分は部活でキャプテンをしていた。キャプテンとして自分は一試合ごとにチーム全体の作戦を考案し、また試合結果から反省点を導きだし次の練習に生かした。そして部員一人ひとりのクセや良さを観察し本人に伝えることで戦力強化にも時間を費やしていた。これによってうちのチームは全国大会に出場し、上位に入ることができた。また、それでチームを支え、そして自分もまた支えられていたことを学び、人に対して感謝の気持ちを忘れないでいられることができるようになった』

 

なんてどうだろうか。
内容は先ほどと一緒であるが、どこを売りにしていくかで文章は変わってくる。自分がどのようにして、何に貢献したか具体的に書くことによって信憑性は増し、会社側に自分の人柄をアピールできる。
 
最後に自分がどんな行動をしてきて、どんな結果が出たかという自己PRの書き方の例えである。
『学生時代自分はキャプテンをしていた。なぜキャプテンに選ばれたかというと、自分はその部活に入ったときから卒業するまで毎日ずっと練習に必要な道具をすべて綺麗に磨いてきたからだ。部活動のあとは必ず部室の整理整頓を行って帰るようにしていた。それによって部員たちが自分にキャプテンをしてほしいと言ってきてくれて自分は了承した。キャプテンになってからは部員たちが使うトイレも掃除を開始し色々なことを気付かされた。たとえどんな地味なことでも毎日続けていけば人は認めてくれると学ぶことができた』


行動と結果を書くとこれも自分の人柄を充分に伝えることができる。さらにこれにもう一つ加えて、このことから自分が入社できれば会社にどのようなメリットがあることを提示できれば完璧である。
この三つの方法のどれかで自分なりに自己PRを書き出し、箇条書きに直すとよりわかりやすく伝わるだろう。
 
② 自己の長所の探し方。
上記のように狙いを定めて考えていくと自分のよさというものが自然と思いつく。要は会社側が求める人材に自分を当てはめていけばいいのである。タフな人材を求めているなら自分の中のタフな部分を探し、発信力のある人材を求めているならそのようなところを。
そうすると自分の自己PRできるところにたくさん気付くのではないだろうか。


私たちは日々何かに追われてなかなか自分を振り返る時間が少ないように思える。

一生懸命やっているうちはそれでいいのだが、ふとした瞬間に“自分とはいったい何だろう?”という考えが頭を過ったりする。そんなとき、自分に根拠のない自信、すなわち自己肯定感を持っていれば色んな答えを探すことができる。自己肯定感を上げるために手っ取り早いのは自分の長所をちゃんと知っておくことである。だからそれは必要なことなのだ。