異動のシーズンがやってくると、行きたくない部署への異動を命じられることもあります。このような状況でモチベーションが下がり、転職が頭をよぎることは珍しくありません。しかし、転職を決断する前に、自分の気持ちと向き合い、適切な行動を取ることが重要です。異動先での過ごし方や転職を検討する際の注意点について考えてみましょう。
◆「異動先の部署に行きたくない」と感じる理由
異動先に行きたくない理由は人それぞれです。まずは、自分がなぜ行きたくないと感じるのか、その理由を掘り下げてみましょう。以下に、よくある理由とその対処法を紹介します。
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今の部署から離れたくない
- 今の部署でキャリアを積んでいきたかった
- 取り組んでいるプロジェクトを途中で降りるのが嫌だ
- 望まないキャリアパス(例:事務職から営業職への異動など)
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新しい部署での仕事内容が嫌だ
- 仕事の内容がハードまたはつまらない
- 経験のない仕事になる
- これまでとは異なる部門や商材を扱う
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新しい部署のイメージが悪い
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労働環境や労働条件が変わる
◆「今の部署から離れたくない」「新しい部署での仕事内容が嫌だ」と思っている場合
慣れ親しんだ環境から離れるのは誰にとっても不安です。しかし、会社側はあなたのキャリア形成を考えて異動を決めた可能性があります。まずは、「3ヶ月だけ頑張ってみよう」と期間を区切って取り組んでみることをおすすめします。新しい環境で新たなスキルやキャリアが開けるかもしれません。
それでも、目指しているキャリアパスに大きなズレが生じて心身の不調が出るようであれば、転職を検討することも一つの手です。
◆「新しい部署のイメージが悪い」と思っている場合
イメージはあくまでイメージです。実際に働いてみると、思ったほど悪くないことが多々あります。ネガティブな先入観を捨て、まずは仕事に取り組んでみましょう。人間関係も、最初は気詰まりに感じても、時間が経てば良い関係が築けることもあります。
異動後には、1on1で同僚と面談したり、積極的に会話をしたりして、その人となりを把握することが大切です。
◆「労働環境や労働条件が変わるのが嫌だ」と思っている場合
通勤が困難になったり、転勤が必要になったりする場合、引越しで解決できることもありますが、家族の生活との兼ね合いもあるため簡単には決められないこともあります。給与が下がる場合も同様です。ここでのポイントは、転職してもこれらの問題が解決するかどうかを慎重に見極めることです。
まずはどのくらい生活に影響があるのかを確認し、慎重に検討しましょう。
◆部署異動がきっかけで転職活動を検討する場合
異動がきっかけで転職を考え始めた場合、以下の「4つの項目」をもとに、新しい部署にとどまるか転職するかを考えてみましょう。
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目的への共感
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活動内容の魅力
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構成員の魅力
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特権の魅力
異動先での仕事に点数をつけ、自分の満足度を把握しましょう。そして、今後目指したい状態も点数化して、現状と理想を比較します。すべての項目が満点の仕事は少ないので、優先順位をつけて現実的な判断をすることが大切です。
◆異動への不満ではなく、自分の目指すものを得るために転職をするという考え方に切り替える
転職を考え始めたタイミングも振り返ってみましょう。異動がきっかけに過ぎず、以前から転職を検討していたのであれば、転職活動を始めるのも一つの方法です。ただし、異動の話だけで転職を決めるのは早計です。
仕事をしながら転職活動をするには、体力的にも精神的にも負担がかかります。明確な希望や転職理由がない場合、途中で妥協してしまう恐れがあります。新しい部署での仕事が意外と面白く、転職を考え直すこともあります。
部署異動はきっかけに過ぎません。転職活動をする場合、自分の目指すものを得るために行うという考え方に切り替えましょう。そうすることで、面接の場でもポジティブに転職理由を伝えられ、企業担当者へのアピールにつながります。
◆まとめ
行きたくない部署への異動は、誰にとっても悩ましい状況です。しかし、冷静に自分の気持ちと向き合い、適切な行動を取ることで、状況を改善することができます。転職を考える前に、まずは異動先での経験を積み、新しいキャリアの可能性を探ってみましょう。それでも納得できない場合は、転職を前向きに検討し、自分の目指すキャリアを追求してください。成功を祈っています。